家庭

本当なら言う必要のないことを強いて言うんですが、夫婦の道とか言いますけれども、本来人間社会の根幹であるはずの家族の調和とか家庭生活というものに、伝統的なスピリチュアリティはほとんど触れて来なかったという、笑うに笑えない冗談のような歴史を辿って来ているわけです。そもそも僧侶や聖職者が独身なんじゃ夫婦の道なんか説きようもありませんが、人間としての基盤を足枷として放棄した上で悟りや救済を求めたから、当然現世否定型の教えになり、個人が悟りや救済を得られたとしても次の世代に引き継いで行く要素が何もないんですから、見ての通り世界は根本的には良くならなかったわけです。親が年収やキャリアを追求して、自分でご飯も作らないし自分で子供も育てないとなれば、家庭生活そのものがないことになり、そのまま行けば未来が良くなる理由がないことになりますが、スピリチュアリティもこのままで行けば良くなる通理がないのではないでしょうか。幸いにして夫婦の道を説くティーチャーさんは、数は少ないですがいらっしゃいます。これがまた「家庭の平和が世界の平和」などという大乗的な理想論を掲げ、それを説いている人の家庭は実はめちゃくちゃ、みたいな事例も出て来たりします。説く人が具体的な方法を示して自分で実践して見せなきゃ意味がありません。とはいえ、夫婦の道や家庭生活を話題にすらしないような教えは、あくまで私の意見でしかありませんが、これからの時代には必要ないだろうと思います。