カオス

泥の中から出る蓮の花のように、整然とした秩序ではなく地獄的な混沌の中からこそ新しいものが生まれる、という考え方があります。悟りが欲しければ自分から火に飛び込む必要がある、とは全然思いません。不謹慎な言い方になってしまいますが、スピリチュアリティの観点からしますと、今現在カオスな状況に生きているとすれば、それは新しい何かを掴むチャンスを与えられていると捉えるのが良いに違いありません。なぜなら、同じ状況を人工的に作り出すことは不可能だからです。ロックンロールの歴史を振り返ってみますと、そのエネルギーはカオスの中から生まれ、主に社会文化的な常識を破壊する方面に向けられました。目指すべき場所が分からなかったからかも知れません。いわゆる破滅型の人生を駆け抜けて行ったロックスターの中で、何年経ってもファンの間で語り継がれ愛され続けている人もいます。新しい何かを生み出せたかどうかは別として、人間として見習うわけには行かないその無軌道な生き様から放たれる光が、若者を魅了するからに他なりません。しかしながら、社会文化的な枠組みを破壊したところで、支配者層や制度が入れ替わるだけのことで、本質的には何も変わらないのではないでしょうか。生きて行くのに必要な前提まで崩してしまうとすれば、闘う相手を間違えています。自分の本来の姿が神霊であることを思い出すために、自分の中にあり制限された人間だと規定している思い込みと闘うべきです。